川崎フロンターレ と ポジショナルプレー (3)
今期(2017年)の川崎フロンターレを、ポジショナルプレーという概念で分析することを主題としています。
本稿は、前稿の本編となります。
本稿の結論を言えば、川崎がショートパス主体で攻撃をつづけられている時は、ポジショナルプレーの原則に即した各選手のプレーが機能的にはたらいてる時であるいうことです。
これは、彼らが意図しているか否かは別にして、ポジショナルプレーの概念で各選手の動きを汲み取ると、効果的に動きとは何か?がわかってきます。
本稿では、各選手の特徴的な動き・特徴をポジショナルプレーの概念に抽象化させるような考察をします。それにより、各選手の行動がポジショナルプレーの原則に則っていることを説明していこうと思います。
攻撃時の基本ポジショニング
下図は、川崎が攻撃時(かつ相手が守備ブロックを作っている)の状態を表したものです。
ボールを前進させるため、センターバック(CB)と中盤3選手(CM)を中心にボールを回しながら、相手を押し込んでいきます。全体的には、パスを出す・受けるためには選手達が「フリー」になるためのスペースが必要なので、相手を密集させないよう前と横には広がりながら位置取りをします。
最前線はセンターフォワード(下図CF)を中心に、サイドハーフ(SH)と入れ替わりながら、スペースを作るために相手最終ラインを後退させます。もちろん最終ラインの裏でボールを受ける隙が生み出されば、決定機をつくることができます。
横幅に関しては、基本的にサイドバック(SB)が大外を担いますが、場合によってはSHと入れ替わりながら相手マークを動かしていきます
スペースを作るとはいえ、相手の深い陣地をショートパスで攻略していくためには、高いボールスキルが要求されますが、各選手の気の利いたポジショニングがそれをサポートしているといえます。
以降では、前・横・中央の選手の配置と、彼らの特徴的な動きを考察していきます。
1. 縦の深さ -なぜ阿部がCFとして起用されたか
ポジショナルプレーの性格上、縦に深く・横に広く、広範囲にプレーヤーを配置すべきとあります。
まず「縦への深さ」の作り方を考察していきます。
今期の川崎では、守備時に4-4-1-1の布陣が採用されています。
その最前線には、小林悠もしくは阿部浩之が起用されることが多いです。
阿部浩之は、今期加入した選手であり、小柄でセンターフォワードというよりサイドアタッカーの印象が強い選手です。
それでは、なぜ阿部選手が開幕早々からセンターフォワードとして起用されていたのでしょうか。
1つ言えることは、縦への深さを作り出せる選手だからではないかということです。
阿部選手も小林選手も裏へ抜ける動きが得意です。ウインガーとして起用されてサイドから裏に飛び出す動きもできます。
磐田戦で得点した際のラインブレイクも見事でした。
【公式】ゴール動画:阿部 浩之(川崎F)51分 ジュビロ磐田vs川崎フロンターレ 明治安田生命J1リーグ 第11節 2017/5/14
裏へ抜ける動きを継続して献身的にこなす両選手が前線にいることで、抜けられるリスクを取りたくない相手ディフェンスラインは深い位置を取るようになります。
これはポジショナルプレーをする際に必要な味方のスペースを生み出す作業とも言えます。
その上、裏へ抜け出す動きだけでなく、阿部選手は遠目からのコントロールショットも非常にうまい選手です。
【公式】ゴール動画:阿部 浩之(川崎F)56分 川崎フロンターレvsサンフレッチェ広島 明治安田生命J1リーグ 第15節 2017/6/17
【公式】ゴール動画:阿部 浩之(川崎F)54分 FC東京vs川崎フロンターレ JリーグYBCルヴァンカップ 準々決勝 第2戦 2017/9/3
敵陣深くまでラインを下げさせたら、相手最終ラインの前にスペースができます。
阿部選手は、そこからシュートを打ちゴールを奪うというフィニッシャーとしての能力も高いです。
阿部選手と小林選手に関しては、試合の中でセンターフォワードとサイドハーフの位置を入れ替わるケースが見受けられます。
両者とも、裏を取る動きである「裏抜けの動き」をしながらスペースを生み出す役割と、空いたスペースでボールを受ける役割が熟せる点が優れているのです。
2. 横幅の取り方 -”そこにエウソン”の生まれ方
続いて、攻撃時に横幅の広さを担保する方法を考察します。
基本的に、川崎では、攻撃時にサイドバックがサイドラインの高い位置まで侵入し、それによりプレーの幅が作られています。
今期は、右サイドバックにエウシーニョ選手、左サイドバックに車屋選手が起用されていることが多いです。
彼らの面白い点は、サイドでの上下動だけを役割としていない点にあると思います。
「そこにエウソン」というのは、川崎サポーターとしてはおなじみの言葉になりました。
右サイドバックであるはずのエウシーニョがシュートを打つシーンが多く、「なぜそこまで上がってきた!」という驚かされ、いい意味で「そこにエウソン」という言葉が生まれてたと思います。
よくある光景としては、左サイドの車屋選手のクロスに合わせて背後から斜めの動きで侵入するようなものです。
【公式】ゴール動画:エウシーニョ(川崎F)58分 サガン鳥栖vs川崎フロンターレ 明治安田生命J1リーグ 第18節 2017/7/8
もしくは、中にドリブルで切り込み、ペナルティエリア付近まで侵入して、シュート。
【公式】ゴール動画:エウシーニョ(川崎F)82分 川崎フロンターレvsベガルタ仙台 明治安田生命J1リーグ 第29節 2017/10/14
それだけでなく、右サイドでの崩しに際してもサイドにとどまらない動きが良くみられます。
例に鹿島戦でのゴールにつながる右サイドからの崩しを紹介したいと思います。
2017年8月13日 川崎 VS 鹿島 46分阿部浩之ゴール
この動画の8秒目で、エウシーニョ選手がボールを受けます。
右サイドでボールを受けたエウシーニョ選手は、
1) まずドリブルで前進、
2) 右サイドに落ちてきた小林選手にパス、
3) そのまま斜め中央にランをします。
これによって、ついてきた鹿島の遠藤選手をボール保持者から引き離し、サイドに数的優位なスペースが生みだされます。
このように、エウシーニョ選手が所定の持ち場のサイドを前後するだけでなく中央へ向かって斜めに走ることにより、サイドに数的優位が生み出されるケースが多く見受けられます。
当然持ち場を大きく離れたところまで動き続けるということは、体力のあるエウシーニョ選手のようなプレーヤーだからこそ実現することではあります。また、持ち場を離れすぎると、守備に回った際に必要な場所に選手が居ないというリスクにもつながります。
しかしながらそれらを越えて「そこにエウソン」が川崎にとってポジティブな現象として語られるのは、攻撃時に数的・位置的優位性を生み出すプレーを何度も生み出して来たからではないでしょうか。
3. 中盤3選手のポジショニング -中村憲剛はなぜサイドに流れるのか
最後に、フィールドのセンターエリアを主戦場とする選手のポジショニングについて考察します。
今期の中盤は、ネット選手・大島選手のダブルボランチと、トップ下に中村選手を置くスタイルがベースになっています。
彼ら3選手は、ボールコントロールに長けた選手で、ボール保持者に近い位置でプレーをすることが多いです。
攻撃を開始する際、ネット選手はディフェンスライン付近までポジションを下げ、センターバック2人とビルドアップを開始します。
大島選手はその前方中央で、中村選手は比較的より高い位置にいることが多いですが、時折低い位置まで下がってくることもあります。
ポジショナルプレーにおいて重要なことは、縦の深さ・横の幅が取れた状態で、フィールド中央の選手がスペースを確保しながらプレーすることです。
その観点から言えば、彼らは「フリー」になる位置取りを探しながら、「出して動く」を繰り返す中心選手になっています。
その証拠に、2017年Jリーグにおけるパスのチャンスビルディングポイント*は、
現在のところ中村選手が77.83(リーグ1位)、ネット選手が67.14(リーグ2位)、大島選手が63.71(リーグ4位)と、
チーム内だけでなくJリーグ内でも圧倒的な数値を誇っています。*1
なお、川崎の1試合当たりのパス本数はリーグ1位(652.3本)で、平均値(469.1本)を大きく上回っています。
ここでトピックに上げたいことは、何故トップ下の中村選手は時折サイドの低い位置でボールを受けようと動くのか?ということです。
このトピックは、川崎ファンにはおなじみのいしかわごうさんも、コラムとして取り上げているものです。
例えば最終ラインからビルドアップを始めていく川崎に対して、相手は前線から人数をかけてボールを奪いにいくことで、そのビルドアップをけん制してきます。よくある光景です。フロンターレあるあるです。
そこで川崎も相手の出方に応じて、ネットが最終ラインに降りたりしてアクセントをつけますが、大島僚太は基本的に真ん中のエリアに居続けます。中央の密集地帯でもプレスを剥がしてしまう技術が大島にあるからでもあるんですが、それだけだとうまくボールが進んでいかないときもあります。
そういうときは、たいていトップ下の中村がスルスルと中盤の底まで降りてきて、後ろのボール回しに加わります。ただそういう場面での中村は、かなり自由なポジションを取っています。ときに味方のサイドバックの位置まで流れてくることも珍しくありません。
なんでトップ下の選手が、中盤の底の真ん中ではなく、わざわざタッチライン際に流れてボールを受けようとするのか。一見すると、チームのバランスもとても悪いように見えますから、不思議でたまりません。
(ここまで無料、以降は有料記事になりますhttps://www.targma.jp/kawasaki/2017/07/24/post11830/ )
中村選手のこの動きはセンターフィールドのスペースを生み出すために有効な動きといえます。
下図は相手がブロックを作りプレスを仕掛けてきた際に、中村選手が右サイド低い位置に動くプレーを表したものです。
相手は、川崎が攻撃を仕掛けて怖いところ=中央部分を閉めてブロックを作りながら、ボールの前進を妨げるようなプレスをかけてきます。
そのような際に中村選手がサイドに流れてパスを受けると、相手の中盤の選手が追いかけてプレスをかけに来ることがあります。
このような場面を作れたら、川崎としてはしてやったりです。相手選手が元にいた中央の空いたスペースに入り込んだ選手が比較的フリーな状態で中央から前進可能です。
中村選手は、自分のポジショニングによって味方にスペースを作ったり、パスによって自分のスペースを作ることを意識してプレーしていることがわかります。
以下のインタビューでも、彼が次の次のポジショニングを考えながらプレーをしていることがわかります。
「そうですね。例えば、本当は(自分が)行きたいところにいる相手を移動させるために、あえてパスを出して動かしておいてそこに入っていく、みたいな。自分も意思があって相手にも意思があるので、それをうまくコントロールしながら、自分の突きたいスペースをあける。もちろん、いつも狙い通りにいくわけではないですけどね」
https://www.footballista.jp/interview/37861
たまたま撮影していた7月の浦和戦でのプレーでも、中村選手は一旦サイドに降りて、うまくスペースを創出していたことがわかります。
7月の川崎-浦和戦。憲剛がサイド低めの位置に引いてボールを受けたあとの展開。 pic.twitter.com/S356NQkiIc
本稿の結論:勝っている試合では、連続して優位性を生み出すポジショニングの連動が見られる
川崎フロンターレの攻撃を、ポジショナルプレーという概念で説明する試みが本稿の目的でした。
ポジショナルプレーという概念では、いくらパスをつなげたとしても、数的・位置的・質的優位性を生み出すプレーでなければ結果には繋がらないと考えられます。
よく「ポゼッションサッカー」や「パスサッカー」と称されることが多い川崎のサッカーですが、ボールを保持する・パスをつなぐことだけがゴールにを決めているわけではありません。
試合の中で、優位性を連続して生み出すポジショニングがチーム全員で行われたときに決定機が生まれていると言えます
それらをミクロで見ていくと、阿部選手・エウシーニョ選手・中村選手にみられるような動きに落としこまれているのです。
本論の結論はここまでですが、そもそも自チームの戦術がうまくいくか否かは、相手チームの戦術やこちらへの対策の仕方に左右されます。
次は、川崎がうまく行かなかったとき(=負けた試合)に起きた現象について、川崎の立場・対戦相手の立場の両面から考えてみたいと思います。
川崎フロンターレ と ポジショナルプレー (2)
主題に入る前に -ルヴァンカップ決勝’17 雑感
川崎フロンターレファンの皆様におかれましては、ルヴァンカップの決勝での出来事、大変受け入れがたいことと存じます。
かくいう私も、1日寝込んでしまいましたが、ようやく落ち着いて振り返る気になってまいりました。
前半早々にミスから1点を取られた後、「1点くらいなら全然逆転可能だろう」と信じて見守っていました。おそらく多くの川崎ファンがそうだったはずです。
前回の対戦では5-1と快勝していただけに、どうも決定機を作れない川崎に違和感を感じながら試合は進み、
ついに点は奪えず、中途半端になったパワープレーの代償に追加点を取られ、試合終了でした。
振り返ると、セレッソは前回対戦のようにボールをつなごうとはせず、柿谷を前線に残しリトリート&カウンターに徹し…なんていう作戦を仕掛けてきました。
インタビュー記事を見ていても、どうやらセレッソは前回対戦で「まともにやりあったら負ける」と思ったとのことで、大幅な作戦変更をしてきたとのことでした。
川崎は、前半は右サイドからの攻撃から好機を作れず、後半は左サイドからも攻撃するようになったものの、中央をがっちり締められたセレッソ守備陣の隙を作れずでした。
試合後のインタビューで、攻め方についての問題というよりも、プレーの精度が問題だったという反省を口にする選手が多いところが川崎らしいところだなあと思います。
バイタルエリアをがっちり閉めてきたセレッソ守備網であっても、一瞬の隙を作りだしてショートパスで崩せただろうと考えるのだろうと思います。
確かに、以降で考察するフロンターレが良い時の攻撃が機能したら、
もしかするとセレッソ守備網を破れたかもしれないと思わせるところが川崎の面白いところだなあと思ってしまうのは、たんに川崎好きだからでしょうか。
0. “Area of Cooperation”
さて、本稿から2回にわたって、引き続き川崎フロンターレとポジショナルプレーについて考えていきたいと思います。
前稿では、川崎フロンターレの基礎となる風間サッカーを象徴するような言葉の数々は、
「ポジショナルプレー」という概念からいえば、「ボール保持者とその直接的サポートプレーヤーの動き」を具体化したものだと考察しました。
ポジショナルプレーの記事として紹介した『It’s Just a Sport』内の “Crash Course to Positional Play”では、
ボールの保持者と直接的サポートプレーヤーが関係するエリアを“Area of Mutual Help“と呼び、
それ以外の広範囲でかたどられる間接的サポートプレーヤーが位置する部分を“Area of Cooperation”と呼んでいます。
前稿は、“Area of Mutual Help“での各プレーヤーの動きに関しての考察でしたが、
本稿は、同時に“Area of Cooperation”を含めた各プレーヤーのポジショニングに関する考察になります。
個人的には、サッカーを観戦する際に、この部分に注目すると面白いと感じている要素でもあります。
なお“Crash Course to Positional Play”では、上記2つのエリアのプレーヤー間の相互作用がうまくいった場合、下記3つの状態が生み出せるとあります。
‐A. Continuous Spatial Distribution (連続してフィールドに構造的に選手が分布されている状態)
‐ B. Ball Circulation (ボールがスムーズにフィールド内を循環している状態、そのためにフリーな選手・スペースを連続的に生み出せている状態)
‐ C. Collective Spatial Awareness (選手同士が現状のポジショニング状況を把握して正しいポジションを継続して修正できている状態)
次稿では、上述の3つの状態を作り出せている時、どのようなポジショニングが意識されているのかという点を中心に議論できればと思います。
1. 縦の深さ -なぜ阿部がCFとして起用されたか
2. 横幅の取り方 -「そこにエウソン」の生まれ方
3. 中盤3選手のポジショニング -中村憲剛はなぜサイドに流れるのか
川崎フロンターレ と ポジショナルプレー (1)
前稿では「ポジショナルプレー」の概念を紹介している記事の要旨を書いてみました。
本稿では、ショートパスを駆使して今季J1トップクラスの勝率を誇る川崎フロンターレ)の成功要因を、
「ポジショナルプレー」の概念に当てはめて分析することをチャレンジにしています。
なぜ川崎?
前項で取り上げた“Crash Course to Positional Play”の最後に、元バルセロナのチャビが「フリーマン」について語る部分があるのですが、
ここで、愛すべき川崎フロンターレについてポジショナルプレーの概念を使って考察してみたくなりました。
チャビが語る「フリーマン」を作る原則と、ポジショナルプレーが生み出す3つの競争優位性の議論について、前・川崎監督の風間八宏さんの話をそっくりだと思ったのです。
ここからは、「ポジショナルプレー」の概念に基づいて、風間さんや川崎の選手に関する記事やインタビューから川崎のサッカーを説明できればと思います。
「出して、動く」「背中を取る」「フリーの定義」… ボール保持者とDirect Supporting Playersの関係性
風間サッカーを表す言葉といえば「出して、動く」でしょうか。
昨年までJリーグ中継で川崎戦を見ていた方なら、風間監督がハーフタイムのコメントでこの言葉を多用していたことを思い出せるでしょうか。
この言葉について、今期加入した阿部選手に関する記事を見つけました。
『忖度できる男、阿部浩之(川崎F)』
前任の風間八宏間監督時代から川崎は「出して動く」が攻撃の根幹を成す。
ピッチに立つ選手は正確な技術はもちろん、「どこにパスを出して、どこのスペースに動くのか」を考えながらプレーすることが求められる。
誰もが簡単にできるわけではない。
中村憲剛が折に触れて話しているように、仲間の特徴を理解し、スムーズに次のプレーに移行できるまでトレーニングを積んでようやく形になるものだ。
結局そのベース部分を習得できずに数年でチームを去ることになった選手も過去には存在する。
つまり、川崎のサッカーには選手間の深い相互理解が不可欠ということ。
http://www.bbm-japan.com/_ct/17090105
この記事は、阿部選手が難しい川崎サッカーに適応した理由が述べられていますが、
他のチームに比べて「どこにパスを出して、どこのスペースに動くのか」を考えてプレーする難しさも読み取れます。
また、風間サッカーのパスの方法論を説明したものの1つに「相手の背中を取る」という言葉があります。
2014年に「背中を取る」とは何かを解説している五百藏容さんの記事などを参考に、下図で説明してみます。
(参考:https://coachunited.jp/column/000107.html)
このように、選手はパスを「出して」、相手マークの「背中を取」るようにして「動く」。これを繰り返して前進していくことが求められます。
これが、前項で説明したチャビの「フリーマン」の説明に似ているのではないでしょうか。
上図の味方Xは、背中を取ることで「位置的優位性」を確保できますし、パスが成功していくことで局所的に「数的優位性」を生み出せます。
さらに、前の記事にあるように、阿部選手のようなプレーヤーが揃っていない限り、このコンセプトが機能しない=「出して、動く」に関するプレーの「質的優位性」を有していると言えます。
加えて、「フリーの定義」に関する記事にも、「出して、動く」中での質的優位性が考えらていることがうかがえます。
とりわけ選手たちに最もインパクトを与えたのが、“フリーの定義”であることは間違いない。
背後にDFが密着していたとしても、出し手が速いパススピードで足もとに正確に付け、
受け手が次の動作に移れる置き場所に正確に止めることができれば、そう簡単には取られないし、
攻めの幅も広がる。そういう考えを植え付けてきた。
一般的に考えれば、受ける際に誰もマークに就いていない状態を“フリー”とするが、
風間監督が率いるチームはそれだけがフリーの状態ではない。
その意識と成し得るための技術があれば、受けられる状況の選択肢も広がると同時に、崩せるエリアも広く見えるようになる。
http://www.soccerdigestweb.com/news/detail2/id=20021
つまり、そのタイミングでボールを受けられるクオリティを有した選手であれば、一般的にはスペースがないような場所でも「フリー」であるといい、パスを受けてよいということになります。
パスを受ける側と出す側に関する記述は『フットボール批評issue17』より一部転載されたこの記事より見受けられます。
まず、パスを『受ける』時は、『いつ』『どこで』『どう』がポイントになります」とあります。
――
『いつ』は、ボールを持っているパサーがパスを出せる瞬間です。(中略) この「いつ」が共有されていないと、受け手はパスが来た時に相手にマークされてしまう。たいていはボールが止まっていないのに、受け手が自分の受けたいタイミングで動いてしまうので、その時はマークを外していても実際にパスが出てくるタイミングでは再びマークされてしまう。これではせっかく事前にマークを外していても意味がない。出し手がパスを出せる瞬間=「いつ」を共有していることで、はじめてちょうどいいタイミングでマークを外すことができる。
(中略)
『どこ』は、敵から外れている場所です。そんなに敵から離れていなくても大丈夫です。『いつ』が共有できていればそんなにスペースは必要ない。受け手は1人とはかぎらないので、受けられる可能性のある選手が同時に受けられる場所に動けば、守備側を無力にできます」
(中略)
『どう』は、敵のマークから外れるための駆け引きですね。外れているなら止まっていてもいい。敵の視野から外れたところに立っていて、敵が気づいて動いたら逆をついて動けばいい。わざと隠れるわけです」
http://jr-soccer.jp/2017/09/07/post74201/
続けて、ボール保持者のパスを出すタイミングにも言及されています。
ボールが味方の間で動いている時、つまり『いま』ではない時に受けるためのアイデアを持って準備をする。
「ボールが動いているうちに考えておくのはパスの出し手も同じです。1メートルのパス交換の間に視野を作っておく。それができるのが上手い選手です。パサーが見なければいけないのは『敵の一歩』です
http://jr-soccer.jp/2017/09/07/post74201/
これらは「ポジショナルプレー」で言及されている、ボール保持者と直接的サポートプレーヤーとの相互作用をよりタクティカルに落とし込んだものだと思います。
数的優位性を生み出すために「出して、動く」。
その中で、位置的優位性を作り出すために「相手の背中を取る」。
質的優位性が生まれたプレーヤーは「フリー」であり、パスを受けられる。
それらを基軸に、受け手と出し手が「いつ」「どこで」「どう」パス交換するのかを共有している関係性を作り出す。
これが風間サッカーの基本と言えるのではないでしょうか。
ただし、これは「ポジショナルプレー」の概念に一部にすぎません。
次項では、川崎がIndirect support playerがOrganized Structureを持続的に形成してプレーを進めているか?という点を中心に検証したいと思います。
ポジショナルプレー という概念
最近、サッカーに関する記事を読んでいると、”ポジショナルプレー”という用語が流行っているようです。 しかし、恥ずかしながらまったく馴染みない言葉だったので、少しお勉強してみることにしました。
Twitterに流れてきたDavid Garcia “Crash Course to Positional Play” を参考にわかったことを書き出していきます。
https://www.itsjustasport.com/home/2017/6/22/crash-course-to-positional-play-part-1-of-4 https://www.itsjustasport.com/home/2017/6/22/crash-course-to-positional-play-part-2-of-4-organized-structure https://www.itsjustasport.com/home/2017/6/22/crash-course-to-positional-play-part-3-of-4-players-relationships https://www.itsjustasport.com/home/2017/6/26/crash-course-to-positional-play-part-4-of-4-generate-superiorities
その前に、ポジショナルプレーという言葉は、サッカーの戦術を考えるために非常に有用な「概念」だなと思いました。
概念とは、サーチライトであるといいます。 その言葉が光のような役割をして、これまで見えてこなかったようなものが見えるようになるということです。
苅谷剛彦『知的複眼思考法』(1996, 講談社)では、「セクハラ」という概念でその効果を説明していますが、
例えば、セクハラという概念が登場する前は、「電車で男性が女性の体を触ること」と、 「公共の場でおじさんがエロ本を読んでいること」が同じ特徴をもっているという認識がされていなかったけれど、 「セクハラ」登場後は、異性に対するいやがらせ行為という括りで批判される対象行為になったと思います。
同様にサッカーにおける「ポジショナルプレー」という言葉も、 サッカーというスポーツを考えるための1つのサーチライトだと思っています。 例えば、「パスを受ける選手は半身でボールをもらいましょう」とか「裏を抜けるフォワードは弧を描きながら走れ」とか、 「最終ラインは高ければ高いほど良いというわけではない」といった個々のプレーに対する評価は、「ポジショナル」という言葉を通してみてようやく理解できることがあるのではないでしょうか。
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「概念が思考の働きにとって重要なのは、ある概念が与えられることによって、それまでは見過ごされていたことがらに光があてられるようになることにあります。アメリカの社会学者、タルコット・パーソンズは、このような概念のはたらきを『サーチライト』にたとえました。新しい概念は、それまで暗やみの中で見えなかったことがらに光をあてて、その存在を示すサーチライトだというわけです。」
下記は記事の要旨です。解釈間違いなどあればご指摘ください。
3つに競争優位性を生み出すために、全プレーヤーがあるべきポジショニングと、それぞれの役割・関係性を意識すべきということに尽きると思います。
各論については、それといって新しいことはないですが、「ポジショナルプレー」という思想・概念を理解したうえでの各プレーという意味では、 各選手の判断のよりどころが明確になるのかなと思います。
ちなみに、攻撃側の事例が多いですが、守備側に回る可能性を考えたポジション等の言及もほしいところかなと思います:
――
David Garcia “Crash Course to Positional Play”では、大きく3つの要素でポジショナルプレーが説明される:
1)“Organized Structure” (有機的な組織)
‐フィールドの中で、効果的な選手配置が実現されているべきである
‐それはチームメンバー・試合状況によって変わってくる(止まっていてはいけない)
‐むやみに密集しないよう、攻撃側は「横幅」と「深さ」を生み出すポジショニングが必要
2)“Players' Relationships”(選手同士の関係性)
‐各選手は、選手間の相互作用を引き出しながら行動すべきである
‐1. ボール保持者のファーストチョイスはドリブル
1-a. もし相手がボールを取りに来なかったら前進できる
1-b. もし相手がボールを取りに来たら、味方がフリーになるからパスを選択できる
‐2. ポール保持者に近い味方選手=Direct Supporting Playersはボールを囲って3-4名
2-a. ボール保持者のサポートのために相手選手の間にポジショニングすべき
2-b. ボールを受けたら直ぐにパスできるような体の向きで用意しておくべき
2-c. ボール保持者との関係性で、2vs1の数的優位が作れるように心がけるべき
‐3. ポール保持者に遠い味方選手=Indirect supporting playersは組織構造をキープするべき
3-a. あまりボールに近づかず、相手選手を無駄にボールに近寄らせるべきではない
3-b. 次の展開に必要になるかもしれない位置を察知してバランスを考えたポジショニングを心がけるべき
3-c. ロングボールを受ける準備をすべき
‐これらの役割を持った選手たちが相互作用を引き出しながらプレーすれば下記のような結果が生まれてくるはずである
‐A. Continuous Spatial Distribution
連続してフィールドに構造的に選手が分布されている状態
‐B. Ball Circulation
ボールがスムーズにフィールド内を循環している状態 そのためにフリーな選手・スペースを連続的に生み出せている状態
‐C. Collective Spatial Awareness
選手同士が現状のポジショニング状況を把握して正しいポジションを継続して修正できている状態
3) “Generating Superiorities”(競争優位性の創造)
‐上記1,2の要素から生み出されるのは、3つの競争優位性であり、それこそが目的となる。
‐1. 数的優位性
フィールドをボール保持者近辺に切り取った際に、味方チームの数が相手チームの数を上回りたい
‐2. 位置的優位性
体の向き・オフザボールの選手の走り出し方といった選手の動作によって瞬間的にでも相手より上回る立場でプレーしたい
‐3. 質的優位性
選手の特性的に、対峙する相手に勝る状況を作り出したい。 足の速いウインガーが足の遅いディフェンダーと走力で勝負する状況を作れたら有利である。
‐「フリーマン」:ポジショナルプレーの説明に必須のコンセプトである
‐バルセロナ・チャビの説明する事例:ディフェンスラインの選手がボールを保持して前進しようとするケース
‐ボールを持っているセンターバックの選手は、相手より人数が多いケースで、ドリブルを開始する
‐ミッドフィルダーをマークしていた相手選手がドリブルで前進してきた選手に気を取られて向かっていったら、マークを外れた選手が1人フリーになり、向かっていった相手の背後から良い状態でパスを受けられる
‐この状態を連続して続けてどんどん前進していく
★そもそも構造的な数的優位性、相手の背後に位置して位置的優位性、
さらにショートパスを得意とする選手たちが生み出す質的優位性をすべて生み出したプレーモデルになっている
ワールドカップ最終予選 日本対オーストラリアで考える展開の読み合いの重要性
先月末のワールドカップ最終予選で、日本がオーストラリアを2-0で破った試合はとても感動を覚えるものだった。
本田・香川といった日本を代表する世界的スターをメンバーから外して、井手口・浅野・乾といった新進気鋭な選手たちを起用した。
それがうまくハマり、ワールドカップ予選では一度も勝ったことがなかった宿敵オーストラリアに完勝したという見方が一般論である。
このことをもう少し深く掘って考察してみたい。
結論としては、日本は豪州に対して戦術的に上手に立つことで勝利をつかんだといえるだろう。
日本は、豪州がやりたかったサッカーを封じて攻め手を防ぎ、相手の構造的な欠点を突くことで2点を奪うことができた。
下記2つのコラムでは非常に興味深い分析がされている。
日本側からみる分析 ー 豪州の脆弱性を突いたプラン
1つ目は五百蔵容さんが書かれた、日本側から見た、豪州の分析と対策について。
https://victorysportsnews.com/articles/5269
要約すると、豪州は
- ボールを持つとき、ゴール前中央(バイタルエリア)に構えている3人の攻撃的選手にボールを集めようとする
- 中央に脅威があると見せかけて、サイドに張った選手をフリーにさせてそこから攻めようと計画されている
それに対して日本は、
- 相手の前線3人へのパスコースを切ることで、ピッチ中央に構えているボランチにパスを出させている
->ここがパスカットのねらい目と判断して、日本のインサイドハーフ(井手口・山口)がインターセプトする
また豪州の特徴として、
- 前線3選手をバイタルエリア付近に位置させているということは、あまり下がって守備をさせないことになる
- そのかわりに、ボランチの守備範囲が広くなっている
1) もしボランチが前から守備にいってしまったら、元々の守備的ミッドフィルダーのポジションは最後尾のセンターバックが飛び出て対応する
2) センターバックが飛び出てパスカットを試みた場合、残りのセンターバックは成功するか失敗するか、その行方を待ってから次の行動をする
これを狙い目ととらえて、一瞬ボールの行方を待ってしまうセンターバックの裏を取ることをチームの作戦としていたとしている。
さらに日本は、豪州の特徴であるバイタルエリアにいる3人の脅威を最小限にするため、
守備に回った際に中央に人数をかけて守ること・パスコースを切ってボールを渡らせない役割を、
中盤の山口・井手口と、ウイングの浅野・乾を中心に課していたとしている。
豪州側からみる分析 ー 1年前から積み上げてきたプラン
次に、豪州側の目線でこの試合の分析をされているのが下記結城さんのコラムである。
https://victorysportsnews.com/articles/5290
要約すると、豪州は
- 1年前の日本戦で手を焼いた問題点を解決するシステムを開発
- ボールコントロール技術力の高い選手たちが、どうやったら円滑にパスをつなげられるのか?が課題
1) 相手のミッドフィルダーとディフェンダーの中間のスペースを広げて、
「シャドーストライカー」のロギッチ・トロイージがボールを受けれるような駆け引きを展開したい
2) そのため、まずはサイドから攻撃を始める。
3) サイドに突破力のあるレッキーを採用、センターフォワードのクルーズはサイドに流れる動きを繰り返す
4) 相手がサイドに気を取られるような見せて、シャドーストライカーがバイタルエリアでボールを受けるチャンスを作る
といったことが狙いになっているとしている。
日本が採用している4-3-3という布陣は、中盤に3人しかいないから、そこに守備の穴ができてしまうことが一般的に多い。
特に「アンカー」と呼ばれる中盤の一番後ろにいるプレーヤーの“脇”が空きやすく、豪州もそこをシャドーの2人が狙う意図があったかもしれない。
しかし日本の守備時にその対策を怠らなかったことも、上記コラムでは指摘されている。
相手がいるから戦術は固定されない ーじゃんけんのようなもの
豪州からしてみたら、1年前の日本戦などにみられる問題点の解決を試みた新システムを開発してこの試合を戦った。
しかし、日本は彼らのやりたかったことの対策がすでに十分に行っていた。
それでも豪州は、時間をかけて開発したこの戦術を信じてやる以外のプランしかなかった。なぜなら他のゲームプランを持っていなかったから。
こうして日本はワールドカップ出場を決めることができたわけだが、ハリルホジッチ監督は、この成功した戦術に固執することはないだろう。
今回の試合のように、1つのパターンの固執すると対策がなされてしまった際、勝ち筋が見出せなくなってしまう。
日本には、(1人で相手ブロックを強引に突破できるような)打開力を持っているスタープレーヤーがたくさんいるわけではない。
それゆえ対戦相手に合わせてプランを変えていく必要性がある。
じゃんけんに例えれば、グーを出してくる相手だとわかっていれば、パーを出せるようにしておく。
自分たちがパーを出すと思っている相手はチョキを出してくるだろうから、それに合わせてグーを出すことも必要になってくる。
こういう読み合いをワールドカップ本番でできるチームになっていたら列強との対戦でも勝てるかもしれない。
だからこそ、いまは自分たちの勝ち筋をひけらかす必要はない。
2010年ワールドカップのときのように「自分たちのサッカー」一辺倒で試合前から戦術的に丸裸の状態で臨むようなことにはならなそうだが、
本番でもアッと驚くプランをハリルホジッチと日本代表には披露してもらいたいと心から願っている。
ゲームとしてのサッカーの面白さ
このあいだ、久しぶりにサッカーの練習試合に参加した。
社会人になってフットサルをやる機会は多くて、月に数回やることもあるけれど、
大きなサッカーコートで11人対11人、30分ゲームを2本やる機会は5年ぶりくらいだったと思う。
おじさんにとって、サッカーの試合に出る機会には、よほどのやる気がないと巡り会わないのだ。
久しぶりにグラウンドに立って、走って、(シュートを外しまくって、、)思ったことは1つ。
自分にとって、生涯こんなに楽しいスポーツはないだろうということ。
それもこれも、ただ学生時代にサッカー部に所属していた経験があるからに他ならない。
野球は、僕より野球部だった人のほうが面白いだろう。僕がわからないことを知っているし出来るだろうから。
そんな多くの人が持っている、「昔からの趣味を好きだと再認識させられた」というただそれだけのことではあるが、
本当にサッカーというスポーツのことを好きになってよかったなあと感じている。
そもそも、僕は今、学生の頃よりもサッカーが好きである。
のめりこんだきっかけは、高校3年生のときにとあるプロコーチに出合ったことだと思う。
理屈で攻め方・守り方を教えてもらい、「サッカーって戦術的なゲームなんだ」と初めて理解したことがきっかけだった。
おかげで大学時代から少しずつサッカーを考えながら見るようになり、プロの試合を観るのもどんどん面白くなっていった。
その一方で、自分がサッカーをする機会は減っていき、社会人になったらほとんどやらなくなったのだけれど。
それにしてもサッカーは昔に比べてポピュラーなスポーツになった。
先月末には、日本代表がワールドカップ6回連続出場を決めた。
昔はかなり見るのに苦労をしたヨーロッパのサッカーも、今では手間なく簡単に見れるようになったし、情報もあふれている。
そんななか、多くの人がサッカーをどんな気持ちで観戦しているのか知りたくなった。
サッカーを観ているすべての人たちが、サッカーを競技として経験したことがあるわけではないだろう。
それでもサッカーは人を引き付けるものがあるとも思う。
プレー自体の魅力だけではなく、
ワールドカップをはじめとするオリンピックにも劣らない巨大な大会が成せるお祭り的興奮だったり、
地元チームやプレーヤーを追いかけるファン心理が生み出す応援する気持ちだったり、
サッカーを取り巻く環境は多くの人を引き付けていると思う。
しかし、ゲーム自体はどのように感じながら見られているのだろう。
サッカーをやったことがない、あまり詳しくない人たちにとっては、
「なかなか点が入らなくて盛り上がりに欠けるから退屈」という感想を持つのが普通なのではないかなと私は思っている。
90分間で 何10点も入らなくても、サッカーというゲームは試合を通して見所溢れる面白いものなのだ。
そんなふうに、サッカーをやったことがない人たちでも、もう少しサッカーを「ゲーム」として面白くみることはできないか?
それぞれのチームがどんな戦術で、どんな意図で試合に臨んでいるのか?それぞれがゲームの間にどんな行動を起こして、結果につながったのか?ということを読み解くことができたら、
もっとサッカーを好きになってもらえるひとが増えると思っている。
一方で、そういう観方を知る機会は少ないように思う。
初心者にもわかるサッカー戦術の文献というのは、いくつか存在するが、
サッカー経験者をターゲットにしていたり、理屈もそこそこに日本サッカー育成者への提言!みたいな話に終始してしまって、
初心者にとって腹落ちが難しいないようなことが多いと感じている。
私自身、高校生の終わりまで、試合をそこまでゲームとして面白いと思っていなかった。
たまたま稀代のサッカーコーチに出合ったことで開けた興味を、いま世の中にあるいくつかの文献を参照しながらかみ砕いて、
もう少しゲームとしてのサッカーへの門戸が開けたらいいなあと思っていたりする。
自宅でできる おすすめ自重筋トレ
自分1人で筋トレをするとなると、何をすればいいかわからなかったり、ずっと同じことばっかりになってつまらない。
ジムでトレーナーに教えてもらうのが1番とは思いつつ、実は手軽にやる方法をご紹介できればと思います。
とにかく筋トレはフォームが大事。静止画より動画のほうがスッと真似できるので、ぼくは動画をお勧めします。
まず真似しながら通しで見て、フォームを確認してからトライすると良いです。
Youtubeで発見できる筋トレメニュー
まずはYouTubeセレクション。
いくつか実際にやってみたので、その中でもお勧めを紹介したいと思います。
XHIT - 10 Minute Ab Workout: How to Get a Six Pack
XHIT - 10 Minute Ab Workout: How to Get a Six Pack
このシリーズがお勧めです。腹筋10分以外にも、背筋、胸筋など強化プログラムがあります。
自重トレーニングなので、2畳くらいあれば器具がなくてもできるものが揃っています。
Tabata for Runners
これはランナー用タバタトレーニングで、脚まわりのトレーニングがメインのプログラム。
短いですが強度は高いし、走る人にはお勧め。
10 Minute Kettlebell Workout for an efficient Total Body Workout
10 Minute Kettlebell Workout for an efficient Total Body Workout
これはマイブームのケトルベルを使ったトレーニングです。もっと長いのも短いのもあるけど、10分のプログラムがベストかなあと思っています。
ケトルベルがなぜ流行らないのか不思議でたまらない。
結構いろんなことができるんです。
ダンベル的使い方もできるし、何よりも振れるから、重力の負荷をつけられるんですよね。
ぶんぶん振ってるだけでも(フォームは気をつけて)息も上がれば筋肉もつきます。
KETTLEBELLKON(ケトルベル魂)ファットバーン ケトルベル(ビニールカバー・キャストアイアン製) (16 キログラム)
- 出版社/メーカー: KETTLEBELLKON
- メディア: その他
- この商品を含むブログを見る
ちなみに簡単な動きのタバタトレーニングであれば、何回かやれば覚えられちゃうと思うし、そしたら動画じゃなくてタバタ用タイマーを使うのが普通だと思います。
これはタイマーっていうかBGMなんだけど、
20秒運動10秒休憩×8サイクルの基本形でやるなら、これをお勧めしときます。
運動時と休憩時でテンションが変わるし、あと数秒のところでカウントもしてくれる。
Workout Music Source // TABATA Cycle 1/8 With Vocal Cues (Work: 20 Secs | Rest: 10 Secs)
Workout Music Source // TABATA Cycle 1/8 With Vocal Cues (Work: 20 Secs | Rest: 10 Secs)
アプリもあります。
色々ありすぎてどれをダウンロードすればいいか難しいです。
ぼくはナイキのトレーニングアプリを信用してます。
難易度、トレーニング時間、負荷の大きさなどでソートできるトレーニングメニューが結構な量ストックされているから飽きないです、
そしめ動画+丁寧な解説音声がある分、1人トレーニングの際に困ることはあんまりない。
トレーニングに合わせて音楽がついてれば最高なんだけどなぁ…。
また、はまったものがあれば書きたいです。